デンマークは、IT大国として知られている国です。さらにそれだけではなく、税金がすごく高い国でもあります。なぜ税金が高いかというとそれは、福祉などの社会保障を充実させるため。現にデンマークは、IT大国であると同時に福祉大国でもあります。
そんなデンマークでは、福祉に対して映像が使われていたりします!
スヌーズレンで活用される映像手法
デンマークには、スヌーズレンというものがあります。スヌーズレンというのは、簡単に言えば、重度の知的障害の感覚を刺激するための施設のようなものです。
そこで特に活用されているのが、映像表現。
たとえば、施設内の壁や床にプロジェクションマッピングを用いて、そこに生き物を作り出したり、そこの色を変えたり、全く新しい景色を作り出したりします。あるいはそこまで凝ったものでなくとも、安らぎを与えるような大自然の映像や、迫力のあるスポーツの映像等、様々な映像を作成して、それを見せたりしています。
もちろんそのスヌーズレンで活用されているのは映像だけではありませんが、特に効果的に使われているのは映像になります。
資格による刺激や疑似体験による刺激が効果的
なぜこうして映像が効果的に使われているのかというと、それはやはり、より刺激を与えることができるから。たとえば視覚による刺激は情報量がすごく多い。だからより強い刺激を与えることができます。
さらに映像であれば、何かを疑似体験しているような状態を作りだすこともできます。それは感覚刺激にもなるので、より強い刺激を与えることもできます。
また映像であれば、感覚的に理解することも可能。難しいことを理解することが難しい状態の人であっても、動画であれば感覚的に何かを学び取ることはできます。
福祉国家であるデンマークでこのように動画が用いられているということが、動画が福祉医療に対してすごく効果的だということの証拠ですね。
短い映像で効率的に刺激を
そこで用いられている映像は、あまり長いものではありません。たとえば、映画などのように2時間くらいあるものを見せているわけではありません。そうではなくもっと効率的に受け入れられるような、ごくごく短い動画がほとんど。
しかしそれの種類がたくさんあります。そうすることによって、飽きないようにさせつつ刺激を与えることができていると思います。
興味を持ってもらい楽しんでもらうことが刺激につながりますから、飽きさせないような作りにすることは大切。そのためには一つ一つ動画の長さは大切ですね。そしてもちろん幅広いジャンルの映像を制作することもポイントになります。
これから先、日本でもこうした映像表現を用いた知的障害へのアプローチは増えていくはずです。特にプロジェクションマッピングのような映像手法は、まだまだあまり日本の医療や福祉の世界では活用されていない手法ですから、今後発展していく可能性は特に高いのではないでしょうか?