介護における動画の活用方法といえば、マニュアル動画を作成したり、あるいは利用者や職員のインタビュー動画などを作成してホームページにのせるという使い方が一般的でしょう。
でも、実は介護事業においては、動画はまた違う形で活用できるものなのです。
介護そのものに動画を活用する
それが、介護そのものに動画を活用するという方法です。
まだあまりそういう使い方は広まってはいませんが、たとえばその被介護者が昔よく見ていた風景や景色、あるいは思い出の地や思い出の写真をまとめた動画を作成して、それを見せてあげるのです。
すると、それらを懐かしみ、心を安らげることが出来るようになります。
またそれは心を安らげるだけではなく、そうして古い記憶を呼び起こすような動画を見ることで、今までの人生のよかった事を思い出したりして、今の状況と向き合う為の勇気を出させてくれたりもするのです。
介護されるという状況は、本人にとっても尊厳的に辛いところがあるでしょう。
なので、ソレと向き合うためには何かきっかけが必要になることがあるのです。
こうした動画は、十分そのきっかけになりえることです。
打ち解けるヒントにもなる
また、そういう映像は、介護士と被介護者が打ち解けるヒントにもなりえます。
介護士と被介護者に心の距離があると、やはり介護もしづらいでしょう。
しかし、たとえばまだその施設に来たばかりだったりしたら、なかなかその距離は埋まってはいかないものです。
そんな時にこうした映像があれば、その距離はうまりやすくなるのです。
なぜならその人の思い出の地や写真をまとめた動画があれば、それをきっかけにして会話が弾みやすくなるからです。
この時はどんなことをしていたとか、この時にはどんなことが楽しかったとか、そういう会話をしていけば、自然とその人がどんな人だったかをはっきりと掴むことが出来るようになり、どう対応していったら良いかも分かるようになるでしょう。
家族にとっても記録になる
その動画は、当然ながら家族にとっても良い記録になるでしょう。
その方がどんな風な土地を生きてきて、昔はどんなだったのかということをしっかりと映像で残すことが出来るわけですから。
また、そうして映像を作成するためには、当然ながらその方がどんな地で生きてきたかということを改めて調べないとならないので、それを調べるはずです。
そしてもちろん写真もいろいろと探さないとならないので、昔の写真を集めようとすることになるでしょう。
そうしていろいろと写真を集めていくうちに、また改めてその方に向けての愛情がわいてくるはずです。
そうやって改めて被介護者のことを思う良い機会にもなりますし、家族にとっても効果的なことであることは間違いないでしょう。
まだあまりこうした活用方法は一般的ではないものの、これからどんどん介護事業は盛り上がっていくことが想像できますし、どんどん取り入れられていくこともあるのではないでしょうか。