終末期の医療には、2つの種類のものがあるでしょう。
一つは積極的に治療を進めていくタイプの医療。
そしてもう一つは緩和ケアです。
そのどちらを選ぶかは患者さん本人、あるいは家族の意思次第でしょうが、その状態にある患者さんや家族には、その判断は難しいところがあるでしょう。
そもそも知識もあまりないので、どうするべきかもよく分からないでしょう。
そんな中、米国ではそんな終末期にある患者さんには、映像を活用しています。
積極治療ではどんな治療をするのか見せていく
その映像というのは、終末期の治療ではどんなことをするのかということを、様々なパターンで描いた映像になります。
そういう映像を見せることで、終末期の治療というのがどういう物かがはっきり分かるようになります。たとえばその辛さが分からないと、誰だって比較的に積極治療を望みがちになりますが、やはり積極的な治療はすごく辛い事もあります。
映像を見ればそれもはっきりと確認できるようになるので、本当に自分がどうしたいのか分かるようになるでしょう。
しっかりと色々理解した上での判断であれば、たとえツラい積極的な治療を選んでもしっかり乗り切れるでしょうし、緩和ケアを望んでも、その分残された人生をしっかりとまっとう出来るようになるでしょう。
だから、アメリカでは終末期医療において映像が用いられているのです。
映像を見せることで話がしやすくなる
映像を見てきちんとこれから自分が積極的な治療をしていくことでどんなツラいことがあるのかという事が分かるようになれば、それからのことを話し合うことも簡単になるでしょう。
実際アメリカでは、その映像を見せた人の約6割以上の人が、これからの治療について医師と話し合う機会を設けたといいます。
実際そういうこれからの治療の話は、なかなかしづらいところがあるでしょう。
そもそも理解がないとスムーズな意見交換も出来ないでしょうし、話し合いは難しいです。
医者側の言葉に耳を貸さない人も多いはずです。でもそれではお互いにとってあまり良くありません。
だからそうした映像が活用されているというところがあるのでしょう。
アメリカでは結果緩和ケアを望む声が多くなった
では、実際にそうして終末期の治療についての映像を見せて、それによって話し合いをする機会が増えて、アメリカの末期心不全の患者はどのようになっていったのでしょうか?
その結果、緩和ケアを望む人が増えたと言います。
緩和ケアを望むことだけが必ずしも正しいことではないとは思いますが、こうして正しい理解のもとに、苦しくない道を選んで、最後の人生を気ままに生きることが出来るようになったというのは、すごく素敵なことのように思えます。
なので、こうした映像の活用は、これから日本でもどんどん進んでいくのではないでしょうか?今後ますます高齢化社会は進んでいき、一人一人の人がそうした選択を迫られるシーンも増えてくるでしょうから。