医療に映像を活用するということは、最近ではもはやスタンダードになってきていますよね。その映像の質というのも近年では日々上がっていき、今では4K画質の映像が医療映像に用いられることも多くなってきました。
でも、実際4K画質ほどのきれいな画質の映像を医療において活用することには、どんなメリットがあるのでしょうか?
ここではそんな4K画質のメリットと、その実際の実用例を紹介していきたいと思います。
目次
4K画質の医療映像であれば細部まで確認可能
4K画質のメリットの一つは当然、画質が良いということです。
ただ、画質が良いということだけでメリットが終わりなわけではありません。
画質が良いことが、さらなるメリットを生むんです。
それが、細部までの確認がしやすいということ。
たとえばすごく細かいものをカメラで映していたとします。それをDVD画質で見ていたら、なにかの塊くらいにしか見えないこともあるでしょう。しかし画素数が高い高画質の映像であれば、映像の粒子が細かい分、細かいもの一つ一つをしっかりと確認することが出来るんです。
また4K画質の医療映像は、ズームにした際にも綺麗に映ります。
4K画質は、十分綺麗だとされるフルハイビジョンの映像よりも、4倍ほど解像度が高くなっているんです。
フルハイビジョンでは1920×1080という解像度ですが、4Kの場合には3840×2160という解像度になります。
つまり4K映像の場合は縦横にそれぞれ200%ズームをしたとしても、フルハイビジョン画質で見ることが出来るということなのです。
そもそも細かいものが見えやすい上に、そうしてズームも出来るわけですから、4K画質の医療映像は、一般的な画質の医療映像よりもさらに細かいものが見えやすいといえるんです。
医療映像が細部まで確認可能だと育成にも役立つ
他にも4K画質の医療映像には、色がより鮮明に確認できるので、細かい変化に気が付きやすいなどのメリットがありますが、やはりズームが綺麗だというのは大きいです。
ズームが綺麗な4Kの医療映像であれば、ただ手術中や医療作業中にその作業をしやすくなるということだけでなく、後々に育成のためのその映像を使うということもしやすくなるんです。
たとえば手術の映像を4K画質で撮影していたとします。
本来であればそのカメラがメインとして映すべきは、医師の手元というよりは患者さんの患部になるでしょう。でも、後進の育成のためには、患部の映像を見せることと同時に、医師の手元の動きの映像を見せてあげることも効果的なはずです。
そんな時そもそも4K画質で撮影していれば、あとから編集で医師の手元をズームにした映像も、患者さんの患部をズームにした映像も作り出すことも出来ます。
別にただ後からズームにするだけであれば、4K画質で撮影していなくても可能です。でもこんな風に編集で後からするズームでは、ひどく画質が汚くなる可能性が高いのです。
編集で行うズームでは、一般的なビデオカメラやプロ仕様のビデオカメラにつけられているような光学ズームが出来るわけではないのです。そうではなく無理やり動画のスケール感をアップさせる、デジタルズームという仕組みでのズームになります。だから、あとから編集でズームをして画質を落とさないためには、もともとの撮影動画のサイズ感がすごく重要になるのです。
4K画質の動画は、もともとの動画のサイズ感がすごく大きいので、先述の通り200%程度ズームをしても、フルハイビジョンと差のない画質で映像を見ることが出来ます。
その分あとから意のままに編集が出来るので、後進の育成のための動画はすごく作りやすくなるのです。
4Kの医療映像は大人数で確認しやすいのもメリット
元々の画質があまりよくない映像を大きなモニターに映した場合、その映像はますます見えづらくなります。つまり、元々の画質があまりよくないと、大人数で見るような大きなモニターは使いづらいということになるのです。
逆に言えば、4K画質のようなすごく画質の良い、サイズ感の大きな医療映像であれば、大きなモニターに映しても特に違和感なく綺麗な映像を見ることが出来るということ。その分、大人数で同時に映像を確認することも可能になるのです。
大人数で映像を見ることができるということには、いい効果の方が大きいでしょう。
一人ではできない発見も、たくさんの人の知恵が集まれば叶う可能性も出てきますし、見落としなどのリスクを減らすことにもつながります。
ただでさえ細部まで確認しやすい4K映像を、そうしてたくさんの知恵の下に確認していければ、よりそうしたリスクを減らすことが出来ることは間違いありません。
4K医療映像は実際にどんな風に使われているのか
こんな風にメリットがたくさんある4Kの医療映像ですが、では4Kの医療映像は、実際にどんな風に使われているのでしょうか?
先ず一つ挙げられるのはやはり、術野カメラに4K画質のカメラを利用して、手術部位の様子や手元をより鮮明に撮影するということ。
この使い方はやはり先述の通り、細かいところの確認もしやすくなりますし、さらに撮影した映像を編集して後進の育成のためにも使いやすいといえます。
だから、この使い方がもっともスタンダードな使い方でしょう。
中には2台の4Kカメラを使用して、4K3D撮影をしているというところもあります。
4K医療映像を内視鏡で活用するところも
ソニーとオリンパスが開発をした、4K内視鏡システムがあります。
そういったものを活用して、内視鏡に4Kを活用しているところもあるのです。
4K画質で内視鏡の映像を見ることが出来るようになれば、より細かいことにも気が付きやすくなるのはもちろんのこと、大きなモニターでたくさんの知恵を貰いつついろいろな判断を下していくということも出来るようになります。
内視鏡というのもまた、4K画質の医療映像のメリットを活かしやすいものなのです。
金銭的な問題以外はこれといったデメリットもなさそうですし、今後内視鏡に4K映像を持ち込むところは、ますます増えていくのではないでしょうか。
4K医療映像のような機器の進歩は技術の進歩と同義
医療映像に4Kを活用するというのは、医療レベルを上げることにつながります。ある意味では技術の進歩につながるとすら言えるんです。
たとえば、一般的なスニーカーで100メートル走を走るのと、陸上用のスパイクで100メートル走を走るのであれば、どう考えても後者の方が良いタイムは出やすいでしょう。
同じ人が走っていたとしても、使用する器具の差、環境の差で結果は全然違ってくるんです。
それと同じことが、医療にも言えるのではないでしょうか?
同じ人が施術を行うにしても、より鮮明で、よりメリットの大きい映像を活用することが出来れば、よりスムーズでより的確な医療を提供できるようになる可能性は高いはずです。
同じ人が同じだけの技術で医療を提供しているのに、良い環境での提供であるほうが高いレベルのものを提供できるんです。つまり良い環境を整えてあげれば、それは医療レベルが上がる、技術が上がったようなものであるということになりますよね。
だから、医療映像に4K画質のものが活用されることも増えてきていますし、これからもどんどん増えていく可能性は高いといえるんです。
これからのスタンダードになる可能性が高い4K画質の医療映像、今のうちから導入してみるというのは悪手ではないでしょう。