もし、人型ロボットが、実際の人間のように、感情を持って言葉を発したら・・・。もし、人型ロボットが、本物の人間のように瞼を動かしたら・・・。
そんな医師の先生方の理想を叶えてくれる、医療用シミュレータロボット[mikoto]が、株式会社mikotoテクノロジーより、開発されました。
このロボットが生み出されたことで、医療現場で、一体どのような変化が起こるのでしょうか。
目次
限りなくヒトに近い近未来型医療シミュレータロボットの誕生
医療における実習教育は、日本では、まだ広く認知されている教育法であるとは言えないところがあります。
そのような理由から、実習者も、医師の先生方も、日々新しいテクニックやスキルをマスタ―する必要があります。
そこで注目されているのが、実習にピントを合わせた、手を動かす実習教育というものです。
実習教育とは、予行練習で実技を行いながら実地指導に生かすことですが、そのためには躍動感あるフィールドが大切になります。
そんなインスピレーションから生み出された製品が、最新医療用ロボットである、[mikoto]です。
患者へとオペレーションをし、思い通りにいかなかったポイントがある際には、もう一度[mikoto]を使って実習することができます。
このロボットのアピールポイントとしては、従来のロボットと比較してみても、ヒトに近いルックスや、口腔・鼻腔・咽喉頭の内部を柔らかなマテリアルで仕上げ、より本物の人間に近いインサイドシステムも正確に表現できています。
また、咽喉頭部等にセンサーを組み込むことで、そこに力を加えると、人間のようなムービングや反応を見せます。
このようなセンサーを取り付けたことによって、従来のロボットよりも、ますます実際の患者に近づけることに成功しました。
以前までは、生体反応をするようなロボットが生み出されていなかったので、咽頭の反応を可能にしたことで、診断中に患者が感じる不安や不満を最大限に配慮しながらを試行することが出来るようになり、センサー反応の耐性や技術時間で、訓練者のスキルを第3者的視点から評価をすることが可能となりました。
これらの結果から、躍動感のある、プラクティカルな教育を実施することに成功しました。
2つの全く新しい医療用ロボットの驚くべきハイパフォーマンス
今回、開発したロボットは、内視鏡検査・気管挿管・そして喀痰吸引という3つのスキルの実習が可能な[マルチタスクモデル]と、気管挿管の実習が可能な、[シングルタスクモデル]の2体のロボットです。
この2体の医療シミュレータロボットには、それぞれに特徴的なアピールポイントがあります。
1体目の[シングルタスクモデル]のアピールポイントとして、気管挿管の実習をすることが可能なシミュレータロボットです。
食道と気管の奥に、肺と胃をシミュレーションしたポケットが付属されていて、そこからチューブを導入し、気道の確保が実行出来たかどうかを目で見て確認することができます。
従来のモデル型ロボットを活用しての実習法を学んだ後に、[mikoto]を活用しての確実性を高めるという活用法をイメージして製品化されています。
これまでは、反応を示すロボット自体が開発されていなかった為に、実際の先生方が声を出すシミュレーションをしながら、注意を促すこともあったそうです。
2体目の[マルチタスクモデル]のアピールポイントとして、内視鏡検査と気管挿管、喀痰吸引等の実習をすることが可能なシミュレータロボットです。
咽頭部に、圧力センサーを内蔵しており、瞼や咽頭部の反応等を明確に表現しています。
センサーを組み込むことで、各パーツにかかる圧を測ることで、診断中の患者のリアリティある反応をさせることに成功しました。
例として、咽頭部に内視鏡検査用スコープが触れることで、なんと瞼を閉じて、まるで患者が実際に痛がっているかのような声や嗚咽を発するのです。
このような咽頭反射を見せることで、さらに人間に近い医療用ロボットを生み出すことに成功しました。
口腔・鼻腔・気管・咽喉頭などのインサイドパーツは、患者のCT画像を利用して、3Dプリンターを用いて正確に表現したことが挙げられます。
欧米の医療用ロボットとの比較と[mikoto]の今後のヴィジョン
ここで、欧米の医療用ロボットは、日本の医療用ロボットと、どのような違いがあるのかについて、詳しく見ていきましょう。
欧米の医療用ロボットの特徴として、莫大な費用がかかることが挙げられます。
1台の金額だけでも、約2億5000万円かかり、年間のコストが約2000万円かかる現実があります。
これは、オペレーションの際の付属される装置や、鉗子・メス等の手術道具も高額なことが理由です。
そして、医療製品の中でも、最も高額だと言われる磁気共鳴画像診断装置(MRI)のスタンダードな製品とほぼ同等の金額であると言えます。
また、病院内には、スタンダードなオペレーションルームと、ロボット専用となるオペレーションルームの2つのスペースを必要とすることも、費用のかかる理由の1つです。
欧米の医療現場では、ロボットに限らずとも、費用削減という目標が、常に大きな論題となっています。
日本で開発された[mikoto]は、1台の金額が、シングルタスクモデルで198万円、マルチタスクモデルで980万円となっています。
また、日本の医療現場では、ロボット専用の手術室を作る必要もないことから、欧米のような莫大なコストを出す必要がありません。
値段の比較だけでも、これだけの差があり、性能も十分であることから、[mikoto]を導入することは、メリットだけが残ると言うことが出来ます。
[mikoto]は、今後の展望について、表現力の豊かなパーツを増やしていく施策を示しており、今の段階でイメージしているスキル以外の実習への活用法も、望まれるところです。
事実として、口腔・鼻腔からの内視鏡検査以外でも、反応を示すロボットや、実習が必要なフィールドは沢山あります。
最近では、覚醒状態のまま実行する施術や、局所麻酔下の施術も増加していることから、そのような実習の需要は拡大しています。
そこで、導入の難解なポイントにセンサーを組み込むことで、患者に痛みや不安を感じさせない実習が可能となる状況に繋がるのです。
シミュレータロボットに関しては、内部臓器の導入も考究されています。
このほか、医師の先生方と患者の交流による効力を表現するシステムの開発も、考究されています。
[株式会社mikotoテクノロジー]
2014年に創立された、医療と福祉を専門とする、ロボット開発会社です。
2017年12月5日と6日に、[Health 2.0 Asia – Japan 2017]において、ピッチコンテストが開催されました。
人間に近いロボットを再現することに成功した、研修医の先生方や学生向けのシミュレータロボットである、[mikoto]を生み出した、株式会社MICOTOテクノロジーが、ピッチコンテストの最優秀賞を獲得しました。
同時にスポンサー賞である、[LINK-J賞]も、株式会社MICOTOテクノジーが獲得しました。
医療用ロボットや、医療マシンの製作や研究を進めながら、日々新たな医療製品の開発を続けています。
常に先進的で画期的な事業に取り組む、近未来型ロボットベンチャー企業です。