昨今、いろいろな病院で病院紹介の映像制作をすることが増えてきました。それは、映像で病院を紹介することのメリット、そして病院を知ってもらうことの大切さについて、数多くの病院が考えているからに他なりません。
いざ病院紹介の映像制作をしようと思ったら、依頼する側にも抑えておきたいポイントが3つあります。ここをしっかりと抑えられているかどうかで、制作した映像が与える成果が大きく変わってきます。
映像制作会社に依頼をすれば、プロが作成する映像ですから、基本的に映像のクオリティ自体は高くはなるでしょう。ただ見た目のクオリティが高くても、成果が出ないのであれば紹介映像を制作した意味がありません。
ここではそんな、依頼する側が抑えておきたいポイントについてみていきます。
目次
①病院紹介のターゲットは誰なのか
まず考えないとならないのは、ターゲットをどこに設定するのかという点です。この点は、映像制作会社と打ち合わせをする際に、まず確実に聞かれるでしょう。その際にそれが定まらないままなんとなく映像を作ってしまうと、最後までターゲット層が良くわからなくなってしまいます。それではいかに映像としてのクオリティが高くても、届けたい層にはしっかりと届きません。結果、その映像を使って得られる成果があまりでなくなります。こればっかりは、映像制作側で勝手に設定するわけにもいきませんから、映像制作を依頼する側が依頼する前までにきちんと考えないといけません。
クライアント(この場合は患者さん)を増やしたいと思うのであれば、ターゲットは患者さんやそのご家族になります。これから就活を控えている医学生や看護学生などをターゲットにして、これから先の病院を担う人材を確保したいと思う採用動画の場合もあるでしょう。患者さんを増やしたいという場合と人材採用の場合では当然内容は変わってきます。
たとえば患者さんを集めたいという場合の病院紹介の内容では、もちろん人も登場するべきではありますが、より施設の中身に焦点を当てた映像を制作することが多いでしょう。こんな機器のある施設で、清潔感はこんな感じで、こんな実績があるのだということを実際の映像やモーショングラフィックなどを使ってアピールすることも効果的です。
逆に医学生や看護学生をターゲットにするのであれば、医師や看護師などなるべくたくさんの人を登場させてインタビューをする等、どんな人がいるのか、一日の仕事の流れはどうなっているのかをアピールするのが効果的です。
このように、同じ病院紹介の映像制作であっても、映像の構成は全然違ってくるのです。だからこそ、ターゲットの設定が大切になります。
②病院紹介の映像をどこで使用するのかをしっかりイメージする
制作した映像はどこで使用するのか。たとえば病院のHPにのせるだけなのか、あるいはYouTube等の動画サイトにものせるのか、それとも動画配信サイトやHPにのせるわけではなく、デジタルサイネージで病院の施設内で常に流しておくのか、もしくはもっと広告的な使い方をするのか。こうした映像制作後のこともしっかりとイメージしておかないと、成果を上げる映像にはなりづらくなってきます。
例えば、デジタルサイネージでずっと流しておくつもりなのであれば、始まり方と終わり方がエンドレスになるように制作した方が見栄えはよくなります。ぶつ切りのような形になると、エンドレスで流れていてもずっと見ていたいとは思いませんが、終わり方と始まり方がスムーズで延々と続くように見えると、引き付けられて目が離せなくなることがあるのです。
また、スマホで見ることが多いYouTubeの場合、字幕テロップはやや大きめにした方が見ている方は見やすくなります。その分映像の見栄えとしてのクオリティは下がってしまうことが多いですが、その代わり見やすくはなるので視認性という面ではクオリティも上がると言えます。
このように、どこで使うかによって、映像制作の仕方は若干変わってきます。そのため事前にどこでどんな風に制作した映像を使おうと思っているのかということをしっかりとイメージした上で、打ち合わせに臨むことをおすすめします。こうしたイメージをしっかり持つことはちょっと面倒なことかもしれませんが、それをするのとしないのでは成果が違ってくるのですから、映像制作後のイメージも重要です。同じだけのお金を払って映像制作を依頼するわけですから、少しでも効果的な映像を作った方が結果を実感しやすくなります。
③病院紹介の映像制作をすることで何を伝えたいのかを絞る
ターゲット層を決めて、どこで使用するのかもイメージもはっきりと決めたとします。それでもまだ、完璧ではありません。もう一つ、重要なポイントがあるのです。それは、病院紹介映像を作って「それで何を伝えたいのか」という点。たとえば、患者さんに向けて集客するための映像制作をするとします。ただ漠然と病院やそこで働く人を紹介するだけだと、まとまりのない映像になってしまって、見た後に何も残らないのです。
例えば明らかにルックスが良いなど、見た目にすごく引きのある先生や看護師の方がいれば多少話は違いますが、だとしても残りづらいことは確かです。ではどうすれば見た後にそこの病院に行ってみたいと思ってもらえるのか。
それはやっぱり、病院の強みをしっかりとアピールできてこそ。
たとえば、「アットホームな雰囲気でどんな人でも気軽に来れる」ということをアピールしたいなのであれば、インタビュー映像の中からそういう文言をなるべく抽出して映像を作成していきます。また、なるべく笑顔のシーンを使うなどして、見た目からもアットホーム感を演出していくことになるでしょう。
これがもし、何を伝えたいのかがはっきりしていなかったら、インタビュー内容もバラバラ、表情もまとまりがないというような映像になりかねません。それでは当然記憶にも残らないですよね。結果、せっかく映像制作をしたのに考えているよりも成果のない映像が出来上がってしまいます。そんなもったいないことはないので、何を伝えたいのかということはしっかりと「絞っておく」必要があります。
アピールポイントを設定するだけではなく、「絞っておく」必要があるというのは、病院紹介の映像は長すぎると良くないからです。たとえどこで使用する映像であっても、基本的に長すぎる映像はまず全部見てもらえません。
もともとすごくその病院に興味がある方だけをターゲットにするならば、多少長くても全部見てもらえる可能性はありますが、それでも10分を超えるとじっくりは見てもらえない可能性がたかまります。
映像を長くすることで成果が下がる可能性があるわけですから、切るべきところは切って、ポイントを絞り長くない映像を作っていかないとなりません。
短めの映像でたくさんのことを伝える映像を作ることは難しいのです。しっかりと絞って、それをアピールしていくというのが効果的になります。
④プロに病院紹介の映像制作を依頼するメリットを得られるように
今では一般の人でも映像制作が出来る時代です。そのような中あえてプロを使って病院紹介の映像制作をするのですから、そのメリットをしっかりと得ないとなりません。
プロに病院紹介の映像制作をさせるメリットをしっかりと得るためには、依頼する側にもするべきことがあるのです。是非これらのことをしっかりと頭に入れつつ、打ち合わせに臨んでみてください。
もちろん映像制作のプロですから、打ち合わせの中である程度これらの点を抑えられるようには質問していきますが、いきなり聞かれても困ることは多いでしょう。だから、事前にしっかりと考えて効果的な映像を入手できるようにしましょう。