VR映像と言えば、様々な医療現場でも役立っているものになります。
そんなVR映像が、中国の医療現場ではドラッグ中毒の改善の為に活用されていると言います。
では実際どんな風に役立てられているのでしょうか?
仮想現実の中で欲求と戦うようにする
ドラッグ中毒の改善の為にVR映像が活用されるというのは、何もある特殊な映像を見せることによって、ドラッグを使用したいという欲求がおさえられるようになるとか、そういう都合の良いものではありません。
そうではなくたとえば、そのVR映像の中で、ドラッグを吸うことが出来るようなシーンをドラッグ中毒の治療をしている患者に見せていきます。
VR映像は、限りなくリアルに自分がそこにいるように感じられるというところに特徴があります。
つまりこうしてVR映像によりドラッグを使用することができるようなシーンを見せていけば、それによって、実際にドラッグを使用したいと思わせることが出来るようになるのです。
ドラッグ中毒を改善するためには、そうしたドラッグを使用したいという思いを浮かばせてはそれに耐えるということ繰り返していき、次第にいつしか吸いたいという思いがどんどん小さくなっていくというような仕組みで行われていくと言います。
でも実際にそこにドラッグがあるような状況を作り出すのは、難しいです。
法律に触れてしまうでしょう。だからこそ、ドラッグ中毒の治療は難しいのです。
でもVR映像であればそういうシーンも簡単に作り出すことが出来ますし、そして何度もそういう状況にトライできるので、よりスムーズにドラッグ中毒の治療がしていけるでしょう。
メンタルを整える為にも活用されている
ドラッグ中毒者が戦わないとならないのは、ドラッグに対する欲求だけではありません。
もちろん一番抗わないとならないのはそれですが、それ以外にも、たとえば社会に出るためのメンタルを整えることにも取り組まないとなりません。
ドラッグ中毒ということは、いわゆる社会とは離れた状態にあることになります。
でもこれから社会に復帰したら、たくさんの人と同じように日々仕事に精をだし、食事をとり、生活していかないとなりません。
でも、ドラッグ中毒者の方はその準備ができていないまま社会に出ることも多かったと言います。
でもそれでは、社会生活が耐えることができないくらいのストレスになり、そしていつしか仕事をやめてしまい、そんな現実から逃避するために再びドラッグに手を出してしまうでしょう。
実際そんな方はすごく多いです。それは中国だけではなく、日本でもそうですし、そしてアメリカなどの海外でも同じことでしょう。
その呪縛から逃れるためには、ドラッグに対する欲求を減らしていくのと同時に、社会生活に適応できるようにしないとならないのです。そのために役立つのがVR映像です。
VR映像で実社会にいるような感覚を味わせてあげれば、次第に社会で働く為の心も整っていくでしょう。
そんな風に、色々な角度から中毒からの脱却にアプローチしていける中国でのVR映像を使用したドラッグ中毒者への治療方法は、これから先世界中で広まっていく可能性が高いと言えます。