医療の世界に映像によるアプローチが用いられることも、最近では増えてきています。たとえば治療そのものに映像を活用するということもありますし、あるいは症状や治療方法についてよりわかりやすく説明するために映像を用いるということも多いです。
ただ、そんな中で特に多いのは、やっぱり医療教育のために映像を活用されているということです。昔から教材VTRというものはどんなジャンルでもありました。しかし最近では、医療の分野で、様々な教材映像が制作されているんです。
①医療教育動画では動きを説明するものが多い
医療教育のための動画にも、いろいろと種類があります。たとえば、一般的な大学の授業のように、先生が病気や手術方法について講義をするというようなものも一つの医療教育動画です。実際にそうしたものもたくさんあります。広く社会に対してそういう動画を発信していくことで、病気に対する正しい理解を広めていこうという活動をしている医療機関も数多くあるのです。
ただ医療教育動画の中で一番多いのは、やはり「身体の動きを説明する動画」。
「こういう時には身体のここをこんな風に抑えて…手をここにおいて…身体をこう支えて…」というような身体の動きを文章だけで説明されても、聞いている方にとってはかなりわかりづらいところがあります。文章や図だけで説明されてもわからないのですから、当然口頭で説明されてもあまりイメージは沸きません。分かっているつもりにはなるでしょうが、正しく理解できているかどうかは定かではないのです。
そこで役に立つのが動画になります。動画であれば、身体の動きを実際に見せてあげることが可能になります。その分理解度はかなり高くなります。
そして動画には、動画内に説明を加えることが出来るというメリットもあります。つまり実際に動いている身体の動きはそのままにテロップや音声を加えたり、さらには一時停止やズーム、リプレイなどで大切なポイントを伝えることが出来るのです。その分より理解度は高まるでしょう。そのため、医療教育系の動画の中では、動きを説明するようなものが多くなっているのです。
特に動画が使われているのは、リハビリ系の教育でしょう。リハビリ系の教育は、まさに身体の動かし方を教えないといけないことも多いでしょう。その分相性はピッタリなのです。
②医療教育動画も進化している!VRの活用例
イギリスの映像会社では、VRカメラでがん手術のシーンを撮影して、それをストリーミングで配信したということがありました。
手術の映像を撮影して、それをのちに見られるようにするというのは、比較的によく見られる医療教育動画の活用例ではあります。実際に自分が手術室に足を運んで手術の勉強が出来る機会というのはどうしても限られてきてしまいますが、こうして映像でそれを確認することが出来れば、勉強できる手術の量はぐっと増えます。
しかしそれをVR映像で行うというのは、まだたくさん見られることではありません。VR映像で手術の様子を見ることが出来れば、ただ普通のカメラで撮影した手術の映像を見るということよりも、ぐっとリアルに自分自身をその手術室の中に投影することが出来るようになります。つまりその分より効果的な勉強が出来るということです。
こうしたVR映像による医療教育というのは、日本でも十分に導入を検討してみる価値はあるでしょう。今後数年から数十年で、こうしたVR映像による医療教育動画がスタンダードになる可能性さえあると言えます。
③医療教育動画の作成が増えている理由
いろいろなやり方で作成されている医療教育動画。確かに身体の動きの説明がしやすかったり、動画の中で大切な点を伝えやすく、頭に入れやすいなどのメリットがありますが、医療教育動画の作成が増えている理由は、それだけではありません。
たとえば医療教育を動画で行うことには、「何度でも繰り返し見やすい」というメリットがあります。誰か教育係をつけて、全てその人が教育をするという状況だと、どうしてもその人に遠慮をして、同じようなことを何度も聞くということは難しくなることもあるでしょう。結果、あまり理解できていないまま何かを行うことにもなりかねません。医療従事者が、自分のするべきことをあまり理解しないまま行うというのは、医療事故につながっていきます。それは避けないとなりません。
医療事故を避けるために役立つのが動画なのです。動画であれば、その動画データさえしっかりと持っていれば、いつでもどこでも何度でも繰り返し閲覧することも可能になります。何度も見ていれば、わからない点もしっかりと理解できるでしょう。あるいは動画を何度見てもわからないとしても、「何度見てもこの動画のここがわからないのですが…」と、教育してくれる人に聞く際にもすごくスムーズになるのです。
そもそも動画という理解しやすい媒体になりますし、理解につながる閲覧のしやすさもあります。それが医療教育動画の作成が増えている理由です。
④医療教育動画はコスト削減にもつながる
またこうしたわかりやすい医療教育動画を作成することは、コストの削減にもつながっていきます。動画制作のコスト自体は、決して安くはないことも多いです。手間も時間もかかるものなので、やはりどうしてもある程度のコストはかかってきてしまいます。ただ、コストパフォーマンスが悪いわけではありません。むしろこの場合コストパフォーマンスは良いといえるんです。医療教育に動画を用いれば、その動画を見ることでかなり理解が進みます。ということは、そこまで人の教育に人材を割かなくて良いことになります。そうなれば、その分余計に人を使わなくても済むようになります。結果、人件費の削減になるのです。
そして、こうした動画は、使いまわすことも可能です。もちろん、新しいやり方が出来たり、新しい機材になったりしたら、その都度教育動画を作り直す必要はあるでしょう。しかし特にそういうことがないのであれば、新しい人が来てもまたその映像を使えばいいだけです。
本来であれば新しい人が来る度に人をしっかりと割かないといけなかったところ、その機会をぐっと抑えることが出来るようになるんですから、やはりそれもコスト削減につながります。それもまた、最近医療教育動画がどんどん採用されているということの理由になるでしょう。
⑤医療教育動画を制作するなら
もし今後医療教育動画を制作するのであれば、やはり映像制作のプロにお願いするのが一番です。確かに今の時代、別に誰でも動画を制作することは出来るでしょう。スマートフォン一つあれば撮影は可能ですし、アプリがあれば動画の編集も出来ます。しかし、ただ動画を撮影するだけならばまだしも、医療教育の動画を作成するとなるとやはり話は違ってきます。
医療教育の動画で多いのは、先に述べてきた通り「身体の動きを説明するもの」。同じように身体の動きを説明する動画を作りたいと思ったら、やはり撮影の仕方がすごく大切になってくるんです。またそれをよりわかりやすいものにするためにはテロップなども必要になってきます。
VR映像での医療教育動画に関しては、そもそも個人や病院内のチームだけでどうにかしようとすることはないでしょうが、VR映像を用いない一般的な医療教育動画であっても、プロに依頼するのと自分たちだけで作成しようとするのでは、クオリティが違ってきます。
やはりクオリティの高さは最重要ポイントになるので、もし医療教育動画を作成するのであれば、是非プロにご依頼をしてください。