VR映像は、様々なところで医療への活用が研究されている最中ですが、イギリスのある大学では、虫歯治療の痛みの軽減のためにVR映像を活用したと言います。
①ビーチの映像をみせることで痛みの軽減に成功
一口にVR映像といっても、バーチャルの中では色々な映像を見せることが出来ます。
たとえば高いところにいるようなシーンを見せて実際にそこにいるように錯覚させることもできますし、穏やかなビーチの映像を見せ、そこでくつろいでいる気分を体験させることも可能です。
実際その大学での虫歯治療においても、ビーチの映像を見せるグループ、街中の映像を見せるグループ、そして何も見せないグループの3つのグループに分けて虫歯治療を行ったと言います。結果は、ビーチの映像を見せたグループだけが痛みをあまり感じなかったというものになりました。
②VR映像であればリスクは少ない
今までの虫歯治療では、痛みに耐えるか、痛みに耐えられない時には麻酔が用いられていました。
でも、痛みに耐えるというのは、すごく辛いこともありますし、人によってはそれが体に与える負担がすごく大きく作用してしまうこともあるでしょう。しかし、麻酔をするというのにもやはりリスクが全くないわけではありません。。
ではVR映像であればどうでしょうか?VR映像の場合、基本的にはただ映像を見ているだけになります。
そのため、これといって特に身体にリスクがあるということはないでしょう。そうして、特にリスクがないのに、虫歯治療の痛みを軽減していけるのであれば、この先、実際にVR映像が虫歯治療時の麻酔の代わりとして広まっていく可能性も高いと言えるでしょう。
③医師側への負担も少なくなる
治療のたびに麻酔を用いたり、何も用いないで痛みに耐えたりするのではなく、VR映像を用いて痛みを軽減させることには、医師側にもメリットがあると言えます。
患者側はリスクが少なくなるので、間違いなくそれがメリットになりますが、医者側にとっても、特に技術を必要としないというメリットや、患者に虫歯治療嫌いを克服してもらえるようになるというメリットがあります。ただ痛みを軽減できるVR映像を見せていくだけなのですから。当然それには医師側に技術は必要ありません。VR映像の技術が必要になるのは、そのVR映像を作る側の人間になるでしょう。
また、麻酔をするのにも注射の痛みがありますし、何もしないで虫歯を治療していくのにも当然痛みがあります。今までは虫歯の治療と言うと、治療の痛みが嫌で深刻な状態になるまで虫歯を放っておいてしまっていたという方もたくさんいるはずです。しかし、こうしてVR映像を見るだけで痛みを軽減することができれば、比較的に楽な状態で虫歯治療が出来るようになるでしょう。また、そうして楽に痛みが無くなれば、虫歯治療で歯医者に来る人数自体も増えていくはずです。
それも間違いなく医師側のメリットになります。