高齢期になると、生活習慣病や身体機能の低下により、食事を楽しめなくなることがあります。低下した身体機能を補いながら、充実した食生活を送る選択肢として、介護食があります。介護食とは、噛む力や飲み込む力が弱い方のため、柔らかく噛みやすい調理がなされた食事のことです。食材を細かく刻みミキサーにかけるだけでなく、ペースト状やゼリー状にして食事をする方の噛む力や飲み込む力に合わせ、食材の大きさや形状などを工夫します。介護食では、どのような種類の介護食が適しているのか、その方の噛む力や飲み込む力などの食べる力を日頃からよく観察し、見極めることが重要です。今回は、介護食の基本を動画で解説することの効果に関して、詳しく説明します。

① 介護食の基本構造を動画で

噛む力や飲み込む力の状態を目安に、容易に噛める・歯茎で潰せる・舌で潰せる・噛まなくて良いなど状況に応じた食事を作ることが必要となります。介護食は噛む力が低下している場合に柔らかさを調整した食事を、飲み込みが難しい場合にまとまりやすく飲み込みやすくするなど、個々の食べる力に合わせて工夫や配慮を必要とします。

身体機能が低下しても、制限すべきか栄養素が増えてきても美味しいと食事を味わうことは、生きるために大切な行為です。介護食を特別な食事のように捉えると、作ることそのものが負担となることもあります。そのため基本的に、家族や周りの方が口にする食事から食べられそうなものをアレンジするくらいの心づもりで取り組むようにします。そして出来れば、家族と同じ素材、それに近いものを介護食にしていくと良いでしょう。

介護食は、介護する側にとってもされる側にとっても特別な食事ではなく日常的な食事のため、咀嚼や嚥下状態次第では個別に作ることや、介護用食品を含む市販の食品を活用するケースもあります。このような内容の解説を行う際には、動画で伝えることが最も効果的です。動画内では、栄養士や介護食マイスターなどの専門家にインタビューを行い、<介護食とは？>ということの説明をしてもらうと良いでしょう。

動画には、静止画などと比較をしても、圧倒的に多くの情報量を短時間で届けられるという効果があります。容易に噛める・歯茎で潰せる・舌で潰せる・噛まなくて良いという状況に応じた食事を、硬さごとに分かりやすく見せるのも効果的です。ご飯であれば、普通のご飯・柔らかめ・全がゆ・ペーストがゆなど、おかずもどの程度、細かく刻むのかペースト状にする必要があるのかなど視聴者に見せることができます。

② 介護食の調理法や注意点の解説にも動画を適用

介護食に関する動画の中で、介護食にしやすい食材の紹介も行うことが有益です。例えば豆腐やバナナ・ヨーグルトなど、そのままでも噛みやすい食材を選ぶようにします。ナッツ類やのり・お餅などの食べにくい食材は使用しないようにします。どうしても使用したい場合には、ペースト状にして使用します。パンに牛乳を加えたり、卵はスクランブルエッグにしたり、野菜やイモ類はペーストやマッシュにすると良いでしょう。食材に偏りのないよう、栄養バランスにも注意を配るようにします。

この他に、介護食の調理の仕方も紹介すると、より有益です。包丁で叩いたり、すり潰したりするだけでも、食べやすくなります。煮たり蒸したりするなど、加熱により柔らかくして噛みやすくするのも良いでしょう。食材や調理済みのケースでは、フードプロセッサーやマッシャー・ミキサーなどにかけることで、食べやすい形状になります。まとまりのないものやさらさらとした水分には、とろみをつけたりゼリー状にすることで、飲み込みやすくなります。口内でまとまりやすいように、片栗粉や市販のとろみ剤などでとろみをつけるのが適切です。

注意点として、食事の温度と時間の経過に気を付けるようにしましょう。冷めてしまうと味が落ちたり、時間が経つと固くなることもあります。ゼラチンや寒天でぷるぷるの状態にまで固め、食材の喉の滑りを良くします。マヨネーズや植物油などは、適量使用することにより、食材をまとめて食べやすくなります。つなぎとして、はんぺんや卵・豆腐や小麦粉・片栗粉・長芋のすりおろしなどを使用すると、食材を上手くまとめられます。介護食で使用する食材の紹介や調理の仕方・注意点についても、動画でしょうかいすることにより、料理番組を見ているような視点で視聴者は見ることができます。調理の本などとは違い作業工程を丁寧に見せることができるのも動画の特徴です。

③介護食の栄養に関する説明にアニメーションを導入

たんぱく質とエネルギー不足は、高齢者の低栄養状態を誘発します。食べる力の低下してきた方にとって、食べやすい食材を選ぶことはとても大切なことです。そのため、動物性たんぱく質とエネルギーが効率良く摂取できる食品を、積極的に摂るようにすることが重要です。食べることで五感が刺激され、前進の機能が活性化されます。

特に、口から食べるということは、噛む・飲み込むなどの機能が必要となり、これらの低下は食事を上手く摂れなくなる大きな原因になります。食事が上手く摂れなくなると、低栄養になりやすく、要介護状態になる方も多くいます。低栄養を防ぐという意味合いからも、栄養バランスの良い食事を十分に摂取することは、とても大事なことなのです。

また介護食の調理では、材料を混ぜたり、食材を細かくして形状を変えたりするための器具が重宝されます。例えばフードプロセッサーやハンドミキサー・粉末にできるミキサーやキッチンバサミ・マッシャーや小鍋などが該当します。介護食作りは手間がかかりますが、市販の食材も使用しながら、気長に取り組む必要があります。食事の作り方や状況に合わせたレシピを幾つか紹介することで、介護食に神経質になっている家族も柔軟に構えることができるようになります。

上記の内容にも、動画を活用することが最適です。介護食の栄養に関する細かい情報は、口頭で説明をしても理解してもらいにくい場合があります。そんなときに動画を活用すれば、スムーズに理解してもらいやすくなります。また内容が複雑な箇所には、アニメーションを導入すると良いでしょう。アニメーションには、表現を柔らかくしながら伝えたいことを強調して表現することができ、分かりやすく伝えられるという効果があります。そのため、栄養面や介護食を調理するための調理器具などの説明にも効果的であると言えるわけです。

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